2011年 07月 17日
*はじめに*
今日は、毒を吐きます。 もういい大人だし、生きていると色んな事があるし、 そんな毒も自分で浄化できるくらいの人間になるべく、 日々努めているつもりなんだけれども、 今日は特別に、すべて解き放っております。 きっと「やだな」と思う方もいらっしゃると思いますので、 毒気にあたりたくない方は、どうか自主的に回避を…。 長くなりますので、 防毒マスクを用意ください。 数週間前のこと。エアコンを購入した。 いくつか候補があった中から、「パナソニック」を選択。 どこでも買えるけど、ブランドショップがあったのでそこへ向かう。 昔の日本によくあった「ナショナルのお店」みたいなもの。 普通の電器店よりもオンリーショップの方が、 なんとなく信頼できると思ったからだ。 けれども、店頭には希望の「白」がなく、 新製品だという「赤」のパネルの商品が展示されていた。 インド人の好みに合わせているのだと思うけれど、 最近こういうファンシーなデザインのエアコン、多いのだ。 花柄とか。 「白が欲しいんだけど?」と訊くと、店員は 「明日には届きますよ」と言う。 インド的な明日=少なくても数日かかる だろうな、という暗算をしつつ、そんなに急いでいるわけでもなかったので、 少し前金を払って、商品を待つ事にした。 と、次の日あっさりと商品到着。支払いを済ませる。 取り付けはまた後日、サービスセンターの人がやって来るとのこと。 室内・室外機ともにガッチリ段ボールで梱包されていて、 中は見えない。そしてやたらと場所を取る。 ふと、前日店から何気なくもらってきたパンフレットを開いて、 「…まさかね」 と品番をチェックすると、まさかであった。 それは、やっぱり「赤」だった。 昨日対応した店員の携帯に電話するも、つながらず。 仕方ないのでまた店まで出向くことになった。 「さっき届いたの、白じゃなくて赤なんだけど」 「え、本当ですか。ええ…おかしいな」 間違えました、すみません、と言った彼だったけれど、 店頭からは前日飾られていた「赤」がなくなっていた。 つまり、展示品を箱詰めして我が家に送ってきたのだった。 多分、しばらく「白」のストックが入荷しないから、 手元にあった「赤」を知らんふりして売ってしまえ。 文句言われたら、その時はその時。 …と、思っていたんじゃないかと。 この時点で、この店が「ハズレ」だということは、 雨上がりの青空よりもハッキリとしていた。 「とにかく交換して」と当然言ったのだが、 「明後日、白が入荷するから、そうしたらフロントパネルを交換します」とのこと。 本体は同じで、フロントパネルの色だけが違うということらしい。 はてさて、信用できるもんだか?と思っていると、 「取り付け業者を今すぐ送りますから、お宅でお待ちください!」とのたまう。 取り付けちゃったモン勝ちってわけかい? 仕方なく、必ずパネルを交換すると約束させて、取り付け業者を待つ。 取り付けは、パナソニックのサービスセンターから直接やって来た。 日本ブランドの家電は高い、というので有名だけれども、 実はSAMSUNGやLGとエアコン本体の値段はさほど変わらなかった。 (ハイエンドな製品は、もちろん高いけど) それならパナソニックの方がいいよね?と言って決めたけれども、 途中で「やっぱ、やめとけば良かった」と本気で思い始めていた。 ところで、取り付けにかかった費用が、最初に店で聞かされた額の3倍だった。 必要なパイプやワイヤーの長さによって追加料金がかかるのは仕方ないけれど、 あまりにhidden costだらけだと、騙されたような気分になる。 絶対に必要となる別払いの部品や税金については、店頭で説明まったくナシ。 最初から「これだけかかりますよ」とスッパリ言ってくれればいいのに。 夕方6時過ぎに業者が到着して、作業は夜中の11時過ぎまでかかった。 モンスーンの湿度むんむんの中、2人して交代で見張り。 けれどその日、結局作業は終らなかったのだった。 5時間…。エアコン取り付けって、こんな大工事だったっけ? 次の日が火曜日で、サービスセンターの定休日だというので、 水曜にまた来ると言い、そしてやっぱり来なかったのだが、 とにかく2日がかりで取り付けがようやく終了。 白い壁に、がっつんと赤いパネルが痛い。 気付けば、金曜日であった。 その後、疲れのせいか何なのか、インド名物「ウィルス性熱」で、 わたしはしばらく寝込むことになる。 数日経っても店からは何の連絡もないので、こちらから電話。 「明日交換します」と言う。 そして次の日、やはり何の連絡もないので電話すると、 「明日かならず」と言う。 どうも、この地の典型的ラヴィリンスにすっかり迷いこんでしまったようで、 こちらが正しかろうが、どう腹を立てようが、 まったく事は進展しないのだ。 担当の店員がついに携帯に出なくなったその日、 相方はパナソニック・インディアのカスタマー・ケア・センターに 苦情のメールを出した。 「ご不便をおかけして、誠に申し訳ございません。 我々のチームが対応いたしますので、しばらくお待ちください。 この件は支店長のMr.Ashishに報告しましたので、何かありましたら 携帯にお電話ください パナソニック・インディア」 という、とってもマニュアル的な返事が次の日送られてきた。 結果から言うと、残念ながら数週間たった今も、 カスタマー・ケア・センターからは何の報告も連絡もない。 もしかしたら全然、機能してないのだろうか。 正直期待できないよね…、と思ってはいたのだ。 苦情の対応とか、ブランドショップの教育とかに力を入れているなら、 最初からこんな事は起こらないだろうから。 販売ルートを拡大するのは大切なことだけれど、 拡げたらそれでおしまいなのだろうか。 ブランドショップって、いわゆる『顔』だと思うのだけれど。 さて。 「また苦情メールするから」と言う、 堪忍袋の許容量が大きい相方が居ないある日、 熱から復活したわたしは件の店にずんずんと出向いた。 その道中、「でっびーる!」のかけ声と共に変身した、 …ような気がする。 店に着いたわたしは、それはそれはオソロしい形相(つまりデビルマン)で、 店員に言った。 「何がどうなってるんだか、説明してもらえるかしら?」 彼は、在庫確認して来ます!と飛び出して行った。 多分、店主にどうしたもんか訊きに行ったのだろう。 ただの接客係である彼に大きな権限があるわけがなく、 今回のこともこの人ひとりの責任ではない。 この店の商売自体が、つまり店主がいい加減なのだ。 残った他の店員同士が、わからないと思ってか 「あの赤いエアコンの客だよ」といった話をヒンディ語で始めたので、 「そう、赤いやつ。うちに来て見てみたら? すんごいミスマッチで醜悪だから、あの赤」 シャア・アズナブルかってんだ(これは言ってません)。 と、ついつい嫌みを言い放ってしまった自分は大人気ないけれど、 古今東西、おばさんを怒らせると怖いことを、少しは思い知りたまえ。 しばらくして帰って来た店員。 「今からパネルを届けさせます」と言う。 「確かでしょうね?」と念を押すと、 「Yes, I'm sure」と。 今までずっとsureを連発してきたんだよね、君は。 でも君を信用できるかsure じゃないのは、わたしの方なのだ。 1時間後、白いパネルが到着した。 ああ、やれやれ。これでやっと終るのか、エアコン騒動…。 と、思って持って来たパネルをよく見ると、デザインが違う。 ふたたびパンフレットで確認すると、違う商品のフロントパネルなのだった。 品番もスペックも、全然違う商品の。 「…これ、違うやつだけど?」 「マダム、こっちの方が格好いいですよ」 「……」 なんかもう、言葉もない。 結局在庫は入荷しておらず、店頭の別の「白」のパネルを外して持って来たのだ。 しかし何なんだ、この入荷量の少なさは。近々閉店するつもりなのだろうか。 でもとりあえず、「赤」が「白」になった。すごい進展だ。 これでもう十分ではないか、わたしは疲れたぞ。 こうして、何とか「泣き寝入り」は回避されたのだった。 カタログには存在しない、あの「赤」製品はその後どうなるのかね? また適当な事を言って、誰かに売っちゃうんだろうな。 でもとりあえず、エアコンはあそこでは買ってはいけないということ。 超ローカルなマーケット内にあるので、 どなたかの参考になるかはわかりませんが、ブラックリスト用覚え書き。 Raj Electronics, Malviya Nagar さてさて。 ここから先は、これまた何かの参考になるかわからないけど、 [付録]インドのエアコンお買い物談義。歯に衣着せずにエイっと! 今回のお買い物の途中、某電器屋さんで訊いた所によると、 一番サービスがしっかりしているメーカーは、意外にも、 VOLTASとのことだった。由緒正しきインドのメーカー。 インド国内、山ほどサービスセンターがあるらしい。 2番手3番手が、韓国勢のSAMSUNGとLG。 商品の品質はともかく、サービスはかなりしっかりしている。 うちでも幾つか使っているけど、確かに呼べば24時間以内に、 ちゃんと修理の人がやってくる。 で、日本メーカーはどうなの?と訊くと、 製品自体なら、エアコンと言ったらDAIKINが紛れもなく一番。 価格は高いけれど、どのメーカーよりも信頼できるという。 けれど、自社のサービスセンターがないから、 メンテや修理はローカルの業者に頼るしかないとのこと。 店員のおススメはHITACHIだった。 昔からHITACHIのエアコンは売られているけれど、 昨年くらいからサービスに力を入れ始めて、各地にサービスセンターを開設。 今はとても充実しているよ、とのこと。 (でも価格もやっぱり高く、 我が家には不釣り合いということで、却下でした) 以上はあくまでも店員さん情報です。 ちなみに我が家が買ったパナソニックについては、 「製品は、悪くはない。サービスも、まあまあ」 CarrierとかGodrejなんかと同じランクにされていた。 日本では、立派にトップ・ブランドなのにね…。 製品自体が良いか悪いかは、まだ買ったばかりで何とも言えない。 保証書に、「最初の1年は3回無料でメンテ・修理します」 というチケットが付いていたんだけれど、 本当にちゃんと来てくれるかは、今後試すことになる。 ちなみに、「24時間以内」とかいう記載はない。 さっきからサービス、サービスと連呼しているけれど、 インドでは電化製品は必ず「壊れるもの」なので、 仕方ないのだ。(車やバイクもね) この厳しい気候。埃っぽさ。電圧の不安定さ。 どんなに頑丈にきっちり作られた素晴らしい製品でも、 何年か使ううちには、どうしても壊れる。 インドに住んでる人間がデング熱で倒れるのより、 はるかに高い確率で。 特にエアコンなんかは酷使するから、 シーズン初めのメンテ(お掃除)とか、 故障の場合の迅速な修理が大きなポイントだと思われます。 SAMSUNGやLGがインド家電業界でかなりのシェアを占めているのは、 製品の価格が安いというだけでなくて、 やっぱりサービスにかなり力を入れているからだろうな、と思う。 日々、とにかく色々なものが壊れ続ける生活をしていると、 その修理に費やす気力や労力や時間がどれだけのものか、わかってくる。 「大丈夫ですよ。24時間以内に必ず行きます」 なんて言われて本当に来てくれたら、ホント大感謝だ。 それで実際すぐに直るかは別とはいえ、 いつ来るかわからない業者をジットリ待ち続けるより、 精神衛生上ずっと良い。 同じお金を払うなら、製品と一緒にそういう「安心感」も欲しい、 とわたしは思う。 以上、毒てんこ盛りで大変失礼いたしました。 気分を害した方がいらっしゃったら、お詫び申し上げます。。。 こんな自分だけの、ちっぽけなことで毒を溜めなくてもいいよう、 もっと大きな人間になれるよう、 もう「でっびーる!」と叫ばなくても済むよう、 努めてまいります。 完
by tacca531
| 2011-07-17 18:35
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